「コーヒー豆を洗っていると、どう味が違うの?」
お客様からよく頂く質問です。
当店では「味わいとしては後味がスッキリします。」とお伝えしています。コーヒーを口に含んで飲み込む時の最後に舌に残る味わいが変わります。
終わりよければ全てヨシ。ではありませんが、アフターの余韻を楽しむために後味の出方を大切にしています。
コーヒー豆を洗う理由についてはこれまでも何度か書いてきました。
Instagramにピン留めした投稿 があるので重複部分は割愛しますが、洗うことで産地から焙煎までについた汚れを落として綺麗にしています。
それ以外にもいくつか洗う事のメリットがあります。
一つは、未成熟豆や乾燥しすぎた生豆を弾くことができます。
これらの写真はコーヒー農園でのウォッシュドの工程の一部です。ウォッシュドはコーヒー豆の乾燥前に水に漬けて実と皮を除去する工程です。
収穫したチェリーを水につけると、完熟ではないチェリーは浮いてきます。この浮いてきた豆は糖度が低いため、焙煎してもおいしくなりません。そのため、現地で果実を向く前にこの様に除去しています。
同じ様に焙煎前に生豆を洗うと浮いてくる豆があります。糖度が低いものが紛れこんでしまったか、もしくは輸送中や保管中に過度に水分が抜けてしまったものと考えられます。
これらのコーヒー豆は焙煎してもおいしくないので、焙煎前に弾いてしまいます。
焙煎前にいくら生豆をハンドピックしてもは弾くことができない選別ですが、コーヒー豆を洗えば一目瞭然です。
もう一つは、コーヒー豆周りについた脱穀後の微粉を取り除くことができます。
次の写真は、乾燥を終えたコーヒー豆を脱穀機にかけて、最後に残った薄皮(パーチメント)を除去する工程の様子です。
わかりやすくいえば、お米の精米の工程と似ています。
お米の精米と同じで、コーヒー豆の周りの部分を削り落とすので、脱穀後のコーヒー豆には白い粉がついています。お米の場合は炊く前に水で洗って糠を落としますが、コーヒー豆は脱穀後に水で洗うことはありません。
この脱穀後の微粉は焙煎する際に落ちると言われていますが、焙煎前に洗うことで確実に洗い流せますので、味わいに違いが出ていると考えています。
SNSやブログなどでコーヒーの焙煎専門家さんが「コーヒー豆を洗ってから焙煎するとおいしくない」という記事を書かれているのを目にしたことがあります。ある意味正解で、ある意味不正解です。
「ある意味、正解」というのは、コーヒー豆は洗った後に焙煎するのと、洗わずに焙煎するのとでは、同じ焼き方で焙煎するとおいしくありません。
「ある意味、不正解」というのは、洗ったコーヒー豆に特化した条件で焙煎すればおいしいコーヒー豆が焙煎できます。
世の中にある焙煎の情報のほとんどは、コーヒー豆を洗う事を想定していない条件です。
その条件で洗ったコーヒー豆を焙煎しても、おいしくないのは当たり前です。
まるたけ堂珈琲は「洗ったコーヒー豆」をおいしく焼けるオリジナルのレシピで焙煎していますのでご安心くださいね。
※2024年11月20日のInstagramの投稿を加筆修正しています。
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