身体にやさしい珈琲ブログ

商品の紹介やパッケージで「無農薬」というフレーズを使ってはいけないお話

2023.07.15

 

コーヒー豆にのみならず、野菜や果物などの生鮮食品や加工品を毎日目にします。

 

スーパーなどで何気なく見ているパッケージにはいろいろな表現が盛り込まれています。

 

 

食品表示において、書かなくてはいけない事柄と書いてはいけない事があります。

 

「無農薬」というフレーズは書いてはいけない言葉の一つです。

 

こちらは農林水産省が発行した「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」の中で、「無農薬」「無化学肥料」と言った表現が禁止されている旨が示されています。

 

農林水産省 特別栽培農産物に係る表示ガイドライン

 

農林水産省 特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A

 

理由としては、認証の基準が明確な「オーガニック」に対して、「無農薬」は基準がなくて消費者に誤認を与えることからだそうです

 

※オーガニック、有機という表現も認証取得品しか使えません。

※自分で作った有機堆肥を使っているからというのは×です。

 

 

このガイドラインですが、農作物に関してはきちんと書かれていますが、加工物は対象外と書かれています。

 

例として、生の柿は対象だが、干し柿は乾燥工程が入る加工品なので対象外など。

 

コーヒー豆は焙煎したら焼いているので加工品です。

 

でも対象外とはどういう意味なのかわかりませんでしたので、「焙煎したコーヒー豆は対象外?」「どの様な表現なら許される?」について農林水産省に問い合わせてみました。

 

頂いた回答がこちら。


農林水産省にお問い合わせいただきありがとうございました。

特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&Aのうち、Q50及びQ51を踏まえますと、表示ガイドラインの対象外ではありますが、お問い合わせの件につきましては、「栽培期間中節減対象農薬不使用」、「栽培期間中化学肥料(窒素成分)不使用」等表示することが適当と考えます。

また、食品表示に関することのため、景品表示法を所管する消費者庁にもご確認をお願いいたます。

消費者庁 電話番号:03-3507-8800(代表)

【回答者】
農林水産省新事業・食品産業部

 

簡単にまとめると、焙煎したコーヒー豆は農林水産省のガイドラインの対象外ではあるけれど、「栽培期間中節減対象農薬不使用」などの表現が好ましい。

 

ただ加工した食品の表示については消費者庁が担当なので消費者庁に確認してね。

 

という事でした。

 

農作物は農林水産省の管轄、加工した食品やその表示は消費者庁の管轄、ザ縦割り行政ですね。

 

そんな訳で、続けて消費者庁に確認してみました。

 

 

加工品の表示について消費者庁に確認した結果・・・

 

消費者庁からは後日電話で回答を頂きました。

 

結論から言うと、加工した商品についても「無農薬」という表現は好ましくないので使わないでほしい。という事でした。

 

電話で説明を頂いた内容は

・加工した商品(コーヒーで言えば焙煎したコーヒー豆)は、加工された状態で栽培されていない(農作物ではない)から、加工工程に対して「無農薬」という表現自体がおかしい。

・原材料については、農作物になるので、農林水産省のガイドラインに従って「無農薬」という表現は使えない

・以上より、加工した商品についても「無農薬」という表現は×

 

という事でした。

法律やガイドラインで明確な規定があるわけではありませんが、消費者に誤認を与える記載は好ましくないため、あまりに悪質な場合は、担当官庁からの問い合わせや監査、指導が入るそうです。

 

加工品のパッケージに関することについては、消費者庁が管轄ですが、パッケージの部位によって法律が異なります。

 

・食品の説明、チラシ、パッケージに関する部分は景品表示法

・裏面の一括表示に関する部分は食品表示法

 

消費者庁はお問い合わせでの回答は食品表示法を担当する食品表示課のみで、他の部門は電話での相談のみとなります。

ご注意ください。

(消費者庁 tel:03-3507-8800 繋がったあと、9番を押してtel交換から担当部門につないでもらう)

 

一連の問い合わせでは、農林水産省さんも消費者庁さんも、迅速かつ誠実に回答を頂きました。

 

本当にありがとうございました。

 

 

 

今回、「無農薬」というフレーズは消費者に伝えるのにわかりやすいフレーズである反面、優良誤認を起こしやすいため、15年以上も前からガイドラインなどで規定されている事がわかりました。

 

僕たちも数年前は知らずに使っていた時期もありました(だから余り人の事はいえない)が、ある時にある方に「無農薬って表現は使っちゃだめだよ」と、そっと教えて頂いて、そこから勉強して今はガイドラインなど、皆が守らないといけないルールに沿った表現を心がけています。

 

皆さんももし「無農薬」という表現を見つけたら、そっと教えてあげてほしいなぁと思います。

 

 

コーヒー豆と自然農と自然栽培について

 

農薬を使わない、化学肥料を使わない農業をされている方とお話すると「自然農」と「自然栽培」という単語が出てきます。

 

僕たちも混同してしまう事もあるのですが、自然農と自然栽培の違いってわかりますか?

 

 

どちらも農薬や化学肥料を使わない栽培法なのですが、「自然農」は不耕起栽培や雑草を刈らないなどの人間の手をできる限り入れないで栽培する農法、「自然栽培」は畑や田んぼも耕すし草も刈ったりして、自然の力で育つのを人間が少しお手伝いする農法、だと言われています。

(大雑把なくくりですが)

 

まるたけ堂珈琲がご用意している「自然栽培で育ったコーヒー」は後者にあたります。

 

草を刈ったり、周辺にバナナやカカオなどの背の高い木を植えて木を作って、落ち葉や実を堆肥として循環させています。

 

この自然栽培で育ったコーヒー豆を栽培している農園とは別の国なのですが、8年ほど前、農薬や化学肥料を使わない自然栽培でコーヒー豆の栽培をされている農園を訪ねた事があります。

 

同じ様に、農園の周囲にはバナナなどの背の高い木を植えていて、そのまま採って食べられる。コーヒーの木は整然と植えられていますが、丁寧に刈り取られた草が地面を覆い、コーヒーの木が過ごしやすい環境をつくっていました。

 

自然栽培の農園の様に自然の力を引き出してあげている農作物は、優しい味わいが楽しめる様に思えます。

 

コーヒー豆もおんなじですね。

 

今回の投稿のもう一つのキーワードの「自然農」で栽培されたコーヒー豆は探している所です。

 

探しているなかで、自然農とは書かれていませんが、エチオピアのコーヒー豆は自然農に近い栽培方法で育っているのではと思っています。

 

エチオピアのコーヒー豆は軒先や裏山で自生している原種が多く、農薬の使用は皆無、肥料も化学肥料はもちろんでそもそも不施肥、不耕起栽培で、森の中で自然のまま育っているものが多い。

 

エチオピアはGDPが低い国の一つで、農薬を使わない、不施肥なのは、買うお金がないからという理由だそうですが、コーヒー豆の故郷ですので、自然のままに育つ環境にあるのでしょう。

 

エチオピアには行ったことがないので、エチオピアでのコーヒー豆の栽培に詳しい方がいれば、お話を伺いたいナァと思っています。

 

コーヒーも含めた農作物の表示について

 

コーヒー豆を含めた農作物の栽培に関しては、どう見分けていけば良いのでしょうか?

 

私達もよく利用するお店でわかりやすく説明してくれていましたので、参考に紹介させて頂きます。

 

 

農薬や化学肥料を使う、一般的な栽培方法を「慣行栽培」といいます。

栽培地域によって、農薬の回数や化学肥料の窒素成分量等が定められています。

・慣行栽培

農薬や化学肥料を使う、一般的な栽培方法

・有機栽培

種まきや種付けの2年以上前から「節減対象農薬」「化学肥料」を使わない畑(ほ場)で育てる栽培方法

・特別栽培

栽培期間中の「節減対象農薬」「化学肥料」を、慣行栽培の5割以下に減らした栽培方法

 

いかがでしょうか?

 

補足ですが、「有機栽培」「オーガニック」という表現は認証を取得していないと使えません。

 

このことを知ってからスーパーの売り場に行くと、いつもとは違った見え方になるかもしれません。

 

農薬や化学肥料も全てが悪いわけではなく、農作物を安定して供給するためには必要なのかなと考えています。

 

ただ、身体に良くない事も確かで、少しでも理解した上で、選んでいけば良いと思います。

 

コーヒー豆から始まった疑問を辿っていくうちに農作物の栽培のお話になってしまいましたが、読んで頂きありがとうございました。

 

少しでもお役にたてば嬉しいです。